【イギリス就労ビザ】Skilled Worker visa:取得の流れとかかった費用を公開します!

イギリスの就労ビザ、Skilled Worker visaの取得の流れについての説明

イギリスにある現地日系企業から内定をもらい、就労ビザをサポートしてもらえることになったわが家。しかし実際は、イギリスの就労ビザとはどのようなものか、どういう手続きが必要なのか、同行する家族のビザはどうするのか、はたしていくらかかるのか・・・と分からないことだらけでした。

実際の経験をふまえて、イギリスの就労ビザを取得した流れとかかった費用を公開します。

※ビザの発給条件や申請方法等は随時変わります。移住先の政府のウェブサイトで常に最新の情報を確認してください。

イギリスの就労ビザ「Skilled Worker visa」

Skilled Workerという名称ですが、イギリスにおける一般的な就労ビザです。ビザのスポンサーとして承認された雇用主のもとで仕事をするために、イギリスに滞在することができるビザです。

ビザの有効期限は最大5年。資格要件を満たしていれば、何度でも延長の申請ができます。また5年を経過すると「永住権」の申請もできます。

UK政府サイト:イギリス就労ビザ「Skilled Worker visa」

「Skilled Worker visa」取得に必要なもの

まずはじめに、以下が就労ビザの取得に必要なものです。

スポンサー証書:Certificate of Sponsorship(CoS)

内定が出たらCoSと呼ばれる証書を雇用主が発行します。これはスポンサーライセンスを取得している企業が発行できるもので、転職エージェントのサイトで企業が「ビザサポート可」とうたっているのは、スポンサーライセンスを持っている、そしてCoSを発行できますよ、ということです。

Knowledge of English:英語力の証明

ビザ申請時に英語力を証明する必要があります。
B1レベルの証明が条件であり、その資格がない人は認定プロバイダーによるテストを受けて一定のスコアを取得する必要があります。

わが家はIELTSを受検しましたが、認定プロバイダーはいくつかあり、スコアをどれだけ取ればよいかも随時変わります。こちらも政府のウェブサイトを確認してください。

UK政府サイト:Skilled Worker visa – Knowledge of English

B1レベルとはどの程度?

以下のサイトに載っていますが、「仕事、学校、日常生活における身近な事柄について、要点を明確に理解することができる。旅行中に起こりうるほとんどの状況に対処できる。 身近な話題や個人的な関心事について、簡単なつながりのある文章を作成することができる。経験や出来事、夢や希望について説明し、意見や計画について簡単に理由や説明をすることができる。」といったレベルです。

CEFR(ヨーロッパ言語共通参照枠)における能力レベル

費用

詳しい金額は後述しますが、基本的に以下の費用が必要です。

  • 申請費用:Application fees
  • 公共医療サービス利用料:Healthcare surcharge
  • 自己資金(貯金)の証明:Money to support yourself
    ※実際に支払うわけではありませんが、銀行等の残高証明が必要です
  • ビザ代行会社の手数料 ※代行会社を利用する場合のみ

「Skilled Worker visa」取得の流れ

続いて、就労ビザを取得するまでの流れです。以下は企業から内定(オファー)をもらい、オファーを受諾した、そこからの動きです。

IELTS受検

まずはじめにやったのが、IELTSの受検です。上に書いたとおり、就労ビザの申請に英語力の証明が必要でした。会社の人事からも、早急にIELTSを受けるように指示がありました。

IELTSは受検日が限られているので、早めにスケジュールをおさえることが重要です。

ビザ申請と支払い(ビザ代行会社経由)

必要なものが揃ったら、ビザの申請です。

ちなみにこの申請は個人でもできます。政府のウェブサイトからオンラインで申請します。
しかし私たちは初めてで勝手が全く分からなかったのと、家族5人分の申請が必要だったので、雇用主が提携しているビザ代行会社にお願いしました。

この申請に、CoSやIELTSのスコア、そして様々な情報が必要です。ビザ代行会社がフォーマットを送ってくれたので、情報を埋めて提出しました。この情報をもとに、ビザ代行会社が申請した形です。

聞かれる情報として、個人情報やパスポート情報はもちろん、両親の情報、配偶者との関係詳細、過去10年の海外渡航歴、犯罪歴等があります。

ビザ申請センターにて生体認証情報(指紋と写真)の登録

ビザの申請と支払いが完了したら、ビザ申請センター(東京と大阪にあります)に行き、指紋と写真を登録します。この時にパスポートを提出します。

※ビザ申請センターは事前の訪問予約が必要です。わが家の場合はビザ代行会社が予約をしてくれました。

パスポートの受け取り

イギリス政府の審査官によって申請内容の審査が行われ、審査が完了するとビザ申請センターより結果の通知が届きます。無事にビザ発給が決定したら、パスポートを受け取ります。(ビザ申請センターにて受け取るか郵送にて。郵送の場合は有料。)

パスポートには一時的な入国許可証である「Vignette」が貼られます。このパスポートを携えて、いざ渡英です。

渡英後:BRPカードの受け取り

イギリスに着いたら、BRP(Biometric Residence Permit)カードという、生体認証情報を含む滞在許可証を受け取ります。受け取り場所は郵便局です。ビザ申請時に登録した滞在住所を基準に、最寄りの郵便局が割り当てられます。

家族のビザについて

ここまで「Skilled Worker visa」の取得の流れを書きました。

家族(パートナーや子ども)はどうなるかと言うと、「Skilled Worker visa」保有者の「dependants」としてイギリスに滞在することができます。全員分、それぞれビザの申請が必要です。流れは「Skilled Worker visa」と同じですが、パートナーや子どもは英語力の証明は不要です。(もちろんCoSも不要です)

家族の申請が通らなかったらどうしようと心配していましたが、基本的には「Skilled Worker visa」の発給が決定すれば、「dependants」が通らないといったことはないとのことでした。

かかった費用と期間

就労ビザ取得にかかった費用を公開します。

わが家が申請した2021年時点の金額です。金額も随時変わるので、最新の情報を確認してください。

UK政府サイト:Skilled Worker visa – How much it costs

かかった費用

●申請費用(Application fees):
£928 × 5人分 = £4,640

●公共医療サービス利用料(Healthcare surcharge):
※年額で決まっているので、滞在年数分をかけて算出します。
£624 × 5年分 × 2人分(大人)= £6,240
£470 × 5年分 × 3人分(子ども)= £7,050

●公共医療サービス利用料(Healthcare surcharge):
※年額で決まっているので、滞在年数分をかけて算出します。
£624 × 5年分 × 2人分(大人)= £6,240
£470 × 5年分 × 3人分(子ども)= £7,050

●自己資金の証明(Money to support yourself):
※実際に支払うわけではありませんが、銀行等の残高証明で資金があることを証明します。
 -自身の資金として £1,270
 -パートナーの資金として £285
 -子ども一人分の資金として £315
 -子ども一人増えるごとにその資金として £200

 わが家の場合は、本人、パートナー、子ども3人分で合計£2,270の資金証明が必要でした。

●ビザ代行会社の手数料(わが家が利用したビザ代行会社の場合):
£2,000 ※家族4人分のビザ申請の手数料として

「Skilled Worker visa」を申請する本人に関する部分は雇用主が負担し、家族4人分の費用は自己負担でした。


申請費用£3,712 + 公共医療サービス利用料£10,170 + ビザ代行会社手数料£2,000 の 合計£15,882を支払いました。それ以外にも£2,270の資金証明。当時は必死であまり考えないようにしていましたが、あらためて見るとすごい金額です。。。

続いてビザ取得までにかかった期間です。

かかった期間

・IELTS申込み~受検~結果発表・・・約1カ月

・ビザ申請に必要な情報をビザ代行会社に提供~ビザ申請~生体認証の登録・・・約2か月

・審査・・・約半月

内定が出てから「Vignette」が貼られたパスポートを受け取るまで、実に3か月半かかりました。5人分と人数も多く、情報の不備等でビザ代行会社とのやり取りに時間がかかったこと、さらにはコロナ禍で関係機関が休業していた時期があった・・・という背景もあり、時間がかかりました。

まとめ

いざ就労ビザが取得できるとなった時に、どのような手順でどのようなものが手元に届くのか、全くイメージできていませんでした。さらにコロナ禍で、審査が無事に進むのかとても不安でした。

私たちはビザ代行会社に申請をお願いしましたが、イギリスで生活して政府サイトでの申請や英語でのオンライン手続きに少し慣れた今、自分で申請できたなあとも思います。でも不安な方は、費用はかかりますが代行会社にお願いするのが安心です。申請代行については、雇用主に提携している会社があるか確認してみてください。

長くなりましたが、イギリス就労ビザ取得について調べている方の参考になれば幸いです。

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